先日、カットをしているときにお客様より、
「髪型って伝えるのが難しいですよね…頭にイメージはあるんだけどなんて言ったらいいのかわからなくて…」
という話になり、
「ノープランでも歓迎ですが、スマートフォンで画像を見せてくれればより分かりやすくてありがたいです!」
とお伝えしたところ、
「う~ん、なんだか恥ずかしくて…」
という美容師サイドではあるあるなお返しをいただきました。
お客様からすると同じような気持ちの方もたくさんいらっしゃるのではないか、そして「恥ずかしさ」という誤解を解かなければと思ったので、美容師側の考え方をお伝えいたします。
たいていの美容師は写真を見る目線が全然異なるので「恥ずかしい」なんて少しも感じる必要ありませんよ(^^)
■ 髪型の写真を見せるのが恥ずかしい理由って?
お客様に
「どうして写真を見せるのが恥ずかしいんですか?」
と聞くと大抵は、
「これはモデルさんがカワイイ(カッコいい)から、だって顔が違うじゃん!と思われるのが恥ずかしい」
とのお答えをよくいただきます。
ヘアカタログに載せる以上、確かに「モデル」さんですのでキレイな方やカッコいい方が多いのは事実。
美容師はいわば見知りしてはいても「他人」なので、キレイ(カッコいい)なモデルの写真を見せたときにどう思われるか、何を思われるか分からない・・・
確かに恥ずかしく思ってしまうのも無理ないかもしれませんね。
しかし結論からお伝えすると、恥ずかしさはあるかもですがなりたいイメージを伝えるのに最もベストな方法はやはり「写真」的な物。
ヘアカタログや雑誌の切り抜きでもいいですし、スマホ画面を見せていただいても構いません。
美容師も「人」であり、どんなに手練れでも「言葉のみ」ですとイメージに多少のズレが起きます。
なりたいヘアスタイルを「言葉」のみで伝えると、例えば「重い」という言葉でも物理的に重いのか、見た目や印象的に重いのか、イメージは人により若干異なります。
さらに例えば「軽くしてください」と伝えても、お客様(人)がイメージする軽さと美容師(人)がイメージする軽さは必ずしも同じではありません。
「少し切ってください」も「少し」というのが人によって異なるので
「思ったより切られちゃった!」
なんて失敗が起きる可能性もあります。
イメージの共有という意味では写真以上に具体的なものはないのです。
■ 美容師は顔じゃなく髪を見る
写真を見せたときに、「顔が違うじゃん!」と思われるのが不安な方。
気持ちの問題なので簡単に「そうだったんだ!」とはいかないかもですが、皆様に知っておいていただきたいのが
美容師は髪型写真の「顔」ではなく「髪」を中心に見ているということ。
そのため見せていただいた写真の方が美人かカッコいいかなどは特に気にしません。
例えばコチラのキレイな女性。
多くの方がまず顔や表情、雰囲気、目の大きさ、体系など、写真全体の「女性」のイメージを見てしまうかと思いますが
美容師がこの写真を見せてもらった時は
●髪の長さ
●髪質(クセ)や毛量の加減、比較
●レイヤー(段)はどのあたり位から入っているか
●前髪の長さや分け目
●シルエット
●髪の色
●現実的な再現性
他にも数あれど、何より「情報」を大切にします。
写真の好みではなくヘアスタイルを細分化し、分析をします。
「キレイな方だな」などは重要視しませんし、ましてやお客様と写真の方の顔の比較なんてしません。
美容師ではない一般の方が写真から受けるイメージや印象とは考え方が違うので
「このモデルさんはかわいいから似合ってて自分には無理だ~」
「用意はしてきたけどやっぱり写真を見せるのや芸能人の名前を出すの恥ずかしい!」
なんて思う必要はありませんよ(^^)
(少なくとも一切僕はありません)